07,05.15

「 中学生日記1 」
家は荒れ果てている。

穴の開いた壁はそのまま。割れた窓ガラスはガムテープで覆われ、粘つく。父親は3年前から姿を見ず、母親はいつもダイニングテーブルに顔を伏せ、いつも、「なんで、わたしが」と繰り返している。今晩ももちろん、晩飯なんてもんはなくて、部屋に駆け上がりコンビニの弁当を温めずにかきこんだ。パッケージに、おふくろの味と書いてあった。思わず笑う。このパッケージ作った奴の母親は、機械か従業員かよ。姉は、俺の記憶ではいるはずだが、実物はいない。なんでも数年前に、男と消えたとか、海に沈んだとか、ナンバー1のソープ嬢だとか。色んな噂は聞いたが、定かではない。俺の予想では、ちんけなアパートでガキ数匹のお守りをしていると思う。もち、ガキの父親はみんな種違い。兄貴は、毎晩女をとっかえひっかえ。今夜も、初めて見る女が来ていた。壁の薄い部屋では、声が筒抜けになる。女のつっこまれてる声と、母親の「静かにしてよ」というヒステリックな叫び声が聞こえる。最近ではそれが嫌で家に帰らなかった。だが今日は、いつも泊めてくれるダチに“彼女が来るから”と追い返された。どいつもこいつも。そう思いながら、目一杯コンポの音を上げて、布団を被った。うるせーぞ。という兄貴の怒声がうざくて、さらに音量を上げた。しばらくすると、兄貴がドアを蹴破って部屋に入ってきて、コンポを力任せに床に投げつけた。わけがわからず、俺はただ呆然とその光景を見ていた。配線がぶちぶちと千切れ、コンセントから火花が散った。次の瞬間、目の前がまっくらになった。意識を取り戻したら、天井が見えて、顔がすげー生暖かかった。ほんの数秒しかたっていなかったのだろう。兄貴を呼ぶ女の声が壁越しから聞こえた。兄貴はそれに返事をしたあと、俺の腹を一発殴り、部屋から出て行った。顔を触ると、手が濡れた。洗面台に行こう。階段を降り様とすると、部屋から出て来た母親が一言「いいかげんにしてよ」と言った。俺のせいかよと思ったが、言い返す気にもならなかった。洗面台の電気をつけると、顔面血だらけの自分が立っていた。ホラー映画ばりの特殊メイクじゃねぇかよと笑って、ほんの少しだけ泣いた。



今日の朝も、親父はいなくて、母親はダイニングテーブルにつっぷ。朝飯はもちろん無くて、玄関では兄貴と女がいちゃついている。携帯を見ると“ 今日も部屋貸せない ”の文字。いつものように、学校途中のコンビニでパン買って、煙草吹かしながら行く。今日も姉貴は音沙汰なしだろうなと思いながら。
※100%妄想。










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