【本日のバッツ当番】JLA(旧アニメ)設定



ジャスティスリーグの古株メンバーには、彼らだけが共有している秘密の役割が存在する。


「それでは、今月の“バッツ当番”を決めようか」


会議室。笑顔で場を仕切るスーパーマンの隣は空席だ。いつもならば、ここには黒い陰気な塊が座るのだが、この裏会議の時だけ彼なしで進めるのがルールその1である。


「先月の担当者はワンダーウーマンで、サブがホークガールだったね。今月は僕が担当で、サブはグリーンランタンでいいかな?」

「はいはいはーーい!!オレ、未だにどっちにもなったことない!!やりたい、やりたい、やりたい!!」


子供のように地団太を踏むフラッシュを、ホークガールがバチンと叩いた。


「いだぁっ!!」

「あんた自体が落ち着かない犬みたいなもんなんだから、犬がペットの面倒みるなんて無理よ」

「そういう貴女も先月サブだったのに、敵を倒すことばっかりに夢中になって、彼を運ぶの忘れたでしょ!私がいる時は取り零しなかったけど、貴方とブルースだけの時、彼を置いて帰ってきたことあったわよね」

「…うっ。だって…そもそも私は戦闘しに現場に行ってるの!UFOキャッチャーするのが目的じゃない!!」


一瞬、皆の脳裏に、ぬいぐるみに模されたバットマンがUFOキャッチャーで上空に吊られていく光景が思い浮かんだ。

ワンダーウーマンが溜め息をついた。

「……怒ろうと思ったけど、力抜けたわ…」


このようにキャラクターの性格によって担当・サブを分けており、あとは場の状況に応じてオールマイティーに対応するのがルール2である。

ちなみに主担当は、ワンダーウーマンかスーパーマンであり、サブはグリーンランタン(ジョン)、ホークガールである。フラッシュは飛べないため除外され(本当は天真爛漫過ぎるからだが)、ジョンジョンに関しては、運んでいるバットマンの存在を忘れたまま自分だけ壁をすり抜け彼を全身打撲にさせた前歴があってから辞退している状況だ。


「それと今日はもう一つ議題があって、コレなんだけど…」


スーパーマンはそう言うと、モニターにとある道具を映した。それは、身体に装着してジェット噴射で空を飛べる機械であり、バットマンが現在秘密裏に作成しているものだった。


「恐らく近々ブルースが使い出すと思うんだけど、機能的にも不安だし、装着したり外したりと手間にもなりそうで、逆に敵から狙われそうな気がするんだよね。そして何よりも、音を立てずにスルスル動く姿や、フワっと着地する姿が見れなくなるかと思うと恐ろしい!」

「同感」


スーパーマンとワンダーウーマンの思考回路に着いていけないメンバー(着いて行く気もない)は、みな会議は終了とばかりに帰り支度を始めていた。

「まっ、どっちみちアイツなら新しい道具は使いたがるだろう。好きに使わせて、危なくなったら助けりゃいい」

ジョンの男前発言に感嘆している超人とワンダーウーマンを置いて、本日の会議はお開きとなった。



その頃、バットケイブでは。


「ブルース様、以前から気になってはいたのですが、このJLメンバーの名前が書いてある表はなんですか?」

「それか?担当予想表だ。ふむ……この順番だと来週はスーパーマンとグリーンランタンか。ホークガールじゃないだけマシか」

「何の担当ですか?」

「ん〜…まぁ、な。こちらもある程度把握しておかないと立ち位置とかな。これでも気を遣ってるんだ」

「?……左様ですか」

「ところでこの飛行ジェットを次回使ってみようと思うんだが」

「危なそうですね……」

「まぁ大丈夫だろう、何とかなる」


何とかしてくれるお仲間ができて良かったですね、という言葉は飲み込み、アルフレッドは微笑むだけに留めた。



―――――――――――




【フェアリー?いいえ、ガーゴイルです】コミック設定


「ヘラよ!我に力を!!」

「ブルース!僕に力を!!」

「ちょっとスーパーマン、ずるいわよ!!ブルースの加護を授かろうなんてっ」

「だって僕は信仰する神様がいないし。まぁいいじゃないか。じゃーんけーん…」


向かい合い真剣勝負でじゃんけんをしているワンダーウーマンとスーパーマンを遠目に、グリーンランタンことハルは呆れた溜息をついた。


「あいつらまたやってんの?」

「うん、そうみたい!」

我関せずとお菓子を次から次へと口に放り込みながらフラッシュが返事をした。


「っしゃぁーー!!私の勝ちね!!じゃあ、今回のバッツサポートは私がやるわ」

「うぅう……もう一か月くらい彼に触ってないよ…」

「この間、ブルースを運んだ時は体重減ってたのよね。梟がどうとか言ってたけど、ゴッサムの件で痩せたみたい。体重、戻ってればいいんだけど」

「ブルースは頑張り屋さんだから心配だねぇ」

「そうよねぇ」


「…あいつらはバッツの保護者か?」

「う〜ん…ファンかな!?」

「つーか、空飛べねぇって致命的だよな。お前はさ、高速で走れば壁登れるし、ジャンプ出来るからまだいいけどさ。コスチューム着ただけのただの人間は大変だよなぁ」

「ちょっとランタン!!聞き捨てならないわね。ただの人間ですって!?コスチューム着ただけであんなに可愛くなる成人男性がいるわけないでしょ!ブルースは妖精よ!!」

「人と馴染めないところなんて正しくそうだね。妖精はみんなで大切に守らないと」


ワンダーウーマンとスーパーマンの背後では「そうだ、そうだ」と楽しそうにフラッシュが囃し立てていた。


「あんなマッチョで、陰気で、おっさんの妖精なんて俺は認めないぞ」

「こうなったら誰の意見が正しいか勝負だ!」

「望むところよ!」

「ちょぉぉおい、待て待て待て!そういうこっちゃねぇだろ!」

「「じゃーーんけーーん」」

「まじでコイツら人の話聞かねぇええ!くそったれぇえ!!じゃぁああんけぇえええん!」





「だから、あぶねぇっつってんだろが!!あの場面では引っ込んでろよ!今回は俺がお前の面倒をみることに、不、本、意、ながらなっちまったんだから危ねぇことすんな!」

「リスクは十分に把握している。危険はなかった」

「危険だった!お前は普通の人間なんだよ!」

「そうだ、お前らのような異常な力は持ち合わせていない。だから死に直結しないよう十分に注意を払ってる!」

「お前がどんなに気をつけてても、今日みたく怪我することだってあるだろうが!!」

「こんな怪我は日常茶飯事だ」

「ほんっと、可愛くない奴だな」


『ちょっと待った』と大声で飛んできたのは、あの二人だった。


「どういうことなの!?バットマンが可愛くないわけないでしょ!!」

「そうだよ。この間、フェアリーだって決まっただろ」

「決まってねぇよ!俺が勝ったのに何故かお守り役やらせやがって!!」

「百文は一見にしかずっていうでしょ」

「で、どうだった?」

「どうもしねぇよ!絶賛、喧嘩中だ!」

「んー言い合いが出来るほどの仲ってことね」

「実に羨ましい」

「おい。フェアリーとは何の話だ」

「…………え、いや、別に……。あれ?僕、そんなこと言ったかな〜?」

「そ、そうよ、なんでもないわ」

「こいつら陰でお前のこと妖精だって言ってんの」

「……ほぉ、そうか。ハル、よくやった。詳しい事をお聞かせ願おうかスーパーマン」

「なんで僕だけっ?!」





「それで、しばらくはブルースのご指名でハルと組むわけ?」

フラッシュはもぐもぐとドーナッツを頬張りながら尋ねた。

「めっちゃくちゃ不本意だが仕方ねぇだろ」

「おい、ハル。事件だ、行くぞ」

「終わったら飯奢れよな!」

「わかったから真面目にやれ」


「……あっ、餌付けされてる」



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【幸せ家族計画】レゴ設定



とある星に、事件解決に必要な鉱石がある事を突き止め訪れたJLであったが、その星の民から上陸を拒絶されていた。


「この星は家族じゃないと入れないそうだ」


ジョンジョンの言葉にみな溜息を吐いた。

「なんだその面倒なルールは。だから辺境の星って嫌なんだよ。どうする?強引に進入するか?」

ハルの言葉をスーパーマンが即座に却下した。

「我々は敵対しに来たわけじゃない。協力を得て鉱石を借りたいだけだ。友好的に進めたい」

「煙薬で眠らせている間に採取していくのはどうだ?」

「バットマン……君って奴は。それは略奪だ」

「私はよくやる」

「君はね。もっと穏便に済ます方法を考えよう」

はいはーーい!俺、思い付いた!とサイボーグが跳ねた。

「家族のフリすればいいんだよ!!」

「お前、馬鹿かよ。すぐばれるだろ」

「だってここは宇宙だよ!異星人同士が結婚して、養子の子供がいるってことにすれば、見た目違っても、血が繋がってなくてもいいじゃん!」

「おいおいおい、そんなアホな作戦で」

「それでいこう!」

「スーパーマン?!まじかよ!」

「だってそれ以外にないだろう」



ここから、つっこみは全てハルが担当していくこととなる。


「というわけで、役柄を決めよう。とりあえず、父親は僕でいいかな?妻はバットマンで?」

「いいわけねぇだろ」

「そうよ。私が夫でバットマンが妻よ」

「そういうことじゃねぇよ!!おい、お前もなんか言えよ」

「……私は宇宙蝙蝠役がいい」

「宇宙蝙蝠って何だよ…!」

「放射能により巨大化して、話せるようになり、武器を使う蝙蝠のことだ」

「……お前さ、精神科行ったほうがいいぜ」

「ブルース、残念だけど、ペット役はジョンジョンなの。ねぇスーパーマン」

「ペット?犬に変身でもすんのか?」

「いや、ペットとして火星人を飼ってる設定にするんだよ」

「いやいやいや駄目だろ!!人道的にアウトだろ!それ、異星人奴隷っつーんだぜ!!最悪な一家だろ!!」

「なら私がペットで、ジョンジョンは使用人にしよう。私専用の」

「奴隷から離れろよ!!つか、お前らは何で嬉しそうなんだよ!!」

「執事が出来た」

「新たな経験だ」

「お前らがいいならもうそれでいいよ…」

「じゃあ僕が父親、ワンダーウーマンが母親、グリーンランタンは長男で、フラッシュが次男、使用人がジョンジョンで、ペットがブルース、サイボーグはルンバでいいかな?」

「ルンバはもはや家族じゃねぇだろ!!生物ですらねぇよ!!掃除用具だっつーの!!っていうか、フラッシュいなくないか?!」

「あら?そうね…そういえば、私の飛行機もないのよね」


皆が首をかしげていると、物凄い勢いで格納庫に飛行機に乗ったフラッシュが戻ってきた。


「あ、おい。バリーお前、どこ行ってたんだよ」

「何かみんなの話長くなりそうで退屈だったから、ぱぱっと鉱石とって、ぱぱっと現場に持って行って貸して、思いの外すぐに使い終わったようだから、ぱぱっと鉱石戻しといた」

「ま…まじかよ」

「凄いわ。さすが私達の次男だわ」

「でかしたよ、次男」

「いやいや、おままごと続いてんのかよ。っていうか、子供の事“次男”って呼ぶのどうかしてるぞ」

「さすがだバット、フラッシュバット」

「え、なにその語尾。怖いんだけど、ペットキャラ的な語尾?!」

「遠い祖国から離れ…今日も私は使役されるのか…」

「おぉおぉ…執事のバックグランドが暗過ぎる…」

「ウィーン、ウィーン」

「誰かルンバ止めてあげてぇぇえええ!!見ていられねぇっ!!つーーか、この茶番を終わらせろ!!」


皆一斉にハルを見て口を揃えた。


『長男は反抗期か』



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【オナニーヒーロー】コミック設定



“バットマンはオナニーヒーロー”


ウォッチタワーでは、そんな見出しのタブレットpcを片手にハルが飛び回っていた。彼は目当ての人物を見付けると満面の笑みで着地した。


「スーパーマン!!デイリープラネットのウェブニュース最高!」

「え、あっ!それ!絶対ブルースに見せないで!」

「つか、もう知ってると思うけど」


ハルが言うや否や、フラッシュが駿足で隣に来た。


「うん、僕もそう思う!だってテレビのニュースでも話題になってたよ。ゴッサム市民抗議の電話殺到って」

「それも話題性アップだよな。この新しい猥談記事を企画した人すげぇわ。『スーパーマンを始めとし、多くのヒーローが人助けが目的で活動している、いわば人と人との関係性を重視したセックス型であるのに対し、悪人成敗が目的のバットマンは自己満足のオナニー型。中二病盛りのマスターベーション』だって!超当たってるじゃん!!」


「随分と楽しそうだな」


「あぁ、楽しい!って、げっ!!!」

「ぶ、ブブブルースっ!!こ、これにはわけがあって、その、僕もね、この記事を下げるように頼んだんだよ!で、でもね」

「御心遣いどうも有難う。デイリープラネットの平社員クラーク・ケント君」

「お、怒ってらっしゃいますね………」

「うちのダミアンがわからない単語が沢山だそうで、昨日から質問責めだ」

「す、すいません、すいません、すいません」

「詳しい話をお聞かせ願おうか」

「ま、また!?」



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【市民から告ぐ】設定なし


誰しもが言われたら傷つく言葉というものがある。万人に通じるものもあれば、特定の人物にしか該当しないものもある。ダメージでいえば後者の方が断然、精神への殺傷能力が高い。

そして、そのダメージを更に増させるには、目撃者が多いほどプライドを打ち砕くことができる。


今回は、偶然にもその全てが揃いに揃ってしまった。





事件解決後のメトロポリス中心部。この街を代表するヒーローがスクランブル交差点のど真ん中で怒鳴った。


「そんなんだから君は友人が出来ないんだよ!!」


言い放った本人を除く全ての人間が息を止めた。その場にいる誰しもがこう思った。


それ言ったらアカンやつやーーーー!!


バットマンはうつむき、体がふるふると震えていた。


「お前は……お前は…………違うのか?」

「僕?僕は沢山友達いるよ!」

「……違う……そうじゃなくて…………」

「なに?!はっきり喋ってくれないかな?!」


怒濤の追撃に、周囲の一般市民達は今や小動物のように縮こまっている蝙蝠を庇ってあげたくて仕方がない気持ちになっていたが、スーパーマンの剣幕にどうすることも出来ずおろおろと見守るしかなかった。


「お前は……」

「ん?!」

「お前は私の友人じゃ……ないのか……?」

「え?僕?!」


……言わないでっ、言わないであげてぇえ、と市民が口をぱくぱくさせる中


「違うよ」


いったぁあああああああああああ!!言いやがったよコイツ!!


蝙蝠の震えは止まり、呆然と立ち尽くしていた。そのあまりにも可哀想な姿に、市民達は道端の石や空き缶を持ち、バックや傘を振り上げ臨戦態勢をとった。皆が狙いをスーパーマンに定めた時だった。


「僕は親友だろ」

「く……クラークっ」


がっちりとホールドし合う二人を前に、市民達は急激に興醒めした。交差点のど真ん中、人々はわざとらしく人一倍図体のでかいヒーロー二人に肩をぶつけながら行き交った。


「この街の住人達は随分好戦的だな」

「活気があっていいね!」


そういうこっちゃねぇーー!


後日、JL本部に市民からの苦情電話が殺到したとかしなかったとか。



―――――――――――



【ローズバッツを飼育しよう】JLA(旧アニメ設定)


本家とは逆に、ジャスティスリーグが先にジャスティスローズを壊滅した設定です。タイトル通り、ローズバッツが捕まって彼らに飼育(という名の拷問?)をされています。

このJLメンバーはおかしいので別アースのメンバーだと思って頂いたほうが良いです。善悪の概念が違うので、本人たちには全く悪いことをしているつもりはありません。

文調はわざと明るくしてますが内容は著しく倫理に欠ける表現があります。
上記を踏まえた上でよろしければどうぞ。もれなく明るい気分が急降下します。




【ローズバッツを飼育しよう】

こんにちは!フラッシュです!

ジャスティスローズという存在を知った僕らは、彼等が悪の道に染まる前に退治することにしたよ!でもバッツだけはまだ更正の余地がありそうだったから飼育することにしたんだ!

でもこの子、なかなか言うこと聞く子じゃなくて僕らも大変!



「餌食べないと大きくなれないわよ」

「ダイアナ……っ」

「ほら、口開けて。もう、また顎外されたいの?」

「あっ……がっ……!」



「どんな事がいけなかったか話すのと、心を読まれるのとどちらがいい?」

「ジョン……っ、」

「君は…あれが間違っていることだと思いつつも、彼等を止めることが出来なかった…そうだな?

君の誤った判断のせいで、何百億人もの人々が支配され管理される世の中になってしまったんだ。反省の言葉は?」

「…っ」



「自分の顔だが…憎たらしいものだ。ほら、バットラングだぞ。取りに行ってこい」

「嫌だっ、屈するものか…」

「ほぉ。まだ言葉を喋るのか。ダイアナに躾を厳しくするよう言わないとな」

「お前はこれが正義だと…っ?!」

「お前達がつくる恐ろしい未来からしたら、これは正義だ」



「っつぅ!!」

「あら、聞き間違いかしら?!人間の言葉を喋ったら駄目って言ったわよね?ね?」

ブルースは悔しそうに頷いた。

「それじゃあ、ちゃんと理解できたか確かめてみましょう」

ダイアナがブルースの手首を捻りあげた。

「っ……っ!!」

彼女は次にブルースを床に叩きつけた。ブルースは打ちどころが悪く、声を発することなく軽い痙攣を起こした。意識を失っているブルースを抱き締め、ダイアナは頬擦りをした。

「いい子、いい子!!言い付けを守れたわね!良い子は大好きよ!!」



ダイアナのつけた傷を手当てしながらクラークはぼやいた。

「ダイアナの躾、厳しすぎじゃないかなぁ?まだ怯えてる。ブルース、抱っこしてあげるからねぇ。御菓子も買ってきたんだよ。蝙蝠には、はいこれ」

クラークが差し出したのは生の虫が詰まった瓶だった。ブルースは引き攣った表情で、食べれないと首を振った。

「遠慮しなくていいんだよ」

クラークは瓶の虫を床にばら撒くと、ブルースの首根っこを掴み無理やり床に顔を押し付けた。いやがおうでも口に入ってくる潰れた虫の塊や汁にブルースは咽返った。クラークは顔を上げさせると、咽るブルースの口に虫を放った。

「はい、よく噛んで。栄養少しでもつけようね」

ブルースは口の中のものを吐き、苦しさと惨めさから涙を流した。

「あ〜…また泣いちゃった。今回のバッツはよく泣く種類なのかな。でもそこが可愛いなぁ」

「やめ…て…クラーク……、逃がしてくれ……」

「あぁ、ブルース。また、そういうこと言って。君はね、ジョーカーが「逃がして」って言ったら逃がすのかい?」

「私は……ヴィランじゃないっ、私は」

「君はね悪い子なんだよ」

「っーーー!」

「でもそれは君のせいじゃない。君のお友達がそうさせてたんだよ。でもまだそれが残ってるから、心から反省できるようになったら、もう少し自由になれるからね」

「こんなのおかしい……助けて」

「はいはい、不安になってきたのかな?落ち着くお薬打とうか」

「いやだっ!確かに私達の遣り方は強引だったっ、反省している。だから、助けてくれっ」

「うんうんわかったよ。助けてあげるから、一緒に頑張って治療しようね」

「違……っ、クラーク……クラーク……っ私は病気なんかじゃ」

「よしよし泣かない、泣かない」



あれぇ?最近のバッツは何だか大人しいよ。薬の打ち過ぎなのかな?ぼうっとしてるし、動きも鈍いや。何だか頭も弱くなっちゃったみたい!



「ほら、バットラングだぞ。取りに行ってこい。グッドボーイ。さすが私だ。利口だな」


「ほら、餌よ。ミミズ美味しい?ん?」


「さぁ、しっかり反省できたか?今日も心を読む時間だ」


「ブルース、良い子だね。もっと良い子になれるよう頑張ろうね」











苦しい、腹が減った、動けない、脚が……軋む…、全身が痛い……、寒い、淋しい、死にたくない、死にたい………もう……無理だ……


『ブルース、迎えに来たよ。もう大丈夫だよ』

「クラーク!」

『辛かったわね』

「ダイアナ!」

『遅くなってすまない』

「ジョン……!みんな、助けに来てくれたのか?元の世界に帰れるのか…?」

『あぁ、みんなで帰ろう。グリーンランタンとホークガールも向こうで待ってるよ』

「良かった、みんな無事だったんだな…」












「あぁ〜〜あ…死んじゃってるや。スーパーマン悲しむだろうなぁ。先週の餌やり誰だったっけ?」

「先週は確かホークガールだったわね。まったく、すぐに忘れるんだから!痛まないうちに剥製にしとかないと。それにして可愛い死に顔ね、嬉しそうに笑ってるわ」



やぁみんな、フラッシュだよ!残念ながらバッツは死んじゃった…。もう少しで更生できそうだったのに。

さてと、次のバッツはどこのアースから連れてこようかな?次こそバッツを救うぞ!僕らは絶対に諦めないからね、応援宜しく!!




2016/3/3 −本日のバッツ 他−





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